【イノベーションのDNAまとめ】第三章 発見力その2ー質問力
「要するに」
質問は創造的な洞察を生み出すが、質問だけではイノベーションは生まれない。
他の発見力と組み合わせる。
挑発的な質問(現状を疑うような質問)が、創造的な洞察を生み出す。
質問力を活用することが多い順:
製品イノベータ
スタートアップ起業家
企業内起業家
プロセス・イノベータ
P&Gのラフリー:
「我々がターゲットとする消費者は誰か?彼らは何を求めているのか?彼らについて何を知っている?彼らが本当に望んでいるのはどんな顧客経験なのか?彼らが今足りないと思っているものはなんだろう?」
「われわれはターゲット消費者のセグメントを、人口学的にではなく、心理的にどうれだけ深く理解しているだろう?いま満たされていない、最大の欲求はなんだろう?消費者がいま一番不満をもっているのはなんだろう?」
「もし〜だったら」
破壊的な質問をするには?
対象の実態を把握する
世界を未知のものとして扱う。自分の脳内地図への「信頼」と「懐疑」の間を揺らぐ。
自分の世界観≠現実の対象 を忘れない。
方法その1 「いまどうなのか」の質問をする
「本当はここで何をしようとしているんだろう?」
思いつく限りの「誰が」「何を」「いつ」「どこで」「どのように」の質問をし、表層を掘り下げる。
例)「よりよいステントをつくるにはどうすればいいんだろう?」
→「体はステントにどう反応するんだろう?ステントはなぜ失敗するんだろう?」
現状を明らかにする質問をすることで「現状への共感的理解」を得て、
これが「なぜこうなった」「もし〜だったら」という質問につながる。
方法その2ー「なぜこうなった?」の質問をする
因果関係を明らかに。
方法その3ー「なぜなのか?」「なぜ違うのか?」の質問をする(対象を破壊する質問)
なぜなぜ5回
方法その4「もし~だったら」の質問をする
*** 制約を加える「もし〜だったら」の質問
故意に制約を加える質問は、制約を逃れる方法を強制的に考えさせることで、
思いがけない洞察を引き出すことがある。
アップルがやってるらしい。
例)「もし既存製品を既存顧客に売ることが法律で禁じられたら、来年はどうやって利益をあげればいいだろう?」
「顧客のいまの可処分所得が半分になったら、自社の製品やサービスをどのように変える必要があるだろう?」
「空輸ができなくなったら、商売の方法をどう変えるべきだろう?」
*** 制約を取り除く「もし〜だったら」の質問
サンクコストに引っ張られないようにする質問。
「もしこの社員を雇っていなかったら、この機器を設置していなかったら、このプロセスを導入していなかったら、この事業を買収していなかったら、この戦略を追求していなかったら、どうだろう?今も同じ決定を下すだろうか?」
他にも制約を外すような質問:
「もしこの技術がどの消費者にも利用できたらどうなる?消費者行動は変わるだろうか?」
「金が問題でなければ、何をする?」
質問はイノベーションを爆発的に高める
が、質問だけではイノベーションを生み出せない。
評論家であってはいけない。プレイヤーにならないといけない。
観察しながら質問する人、新しいアイデアを求めてネットワーキングに励みながら質問する人、
実験しながら室温する人のほうがより多くを発見する。
質問力を伸ばすヒント
質問ストーミング
解決策ではなく、問題に関する質問を自由に出し合う。
- 問題や課題を1つ選ぶ
- それに対する質問を最低でも50個書きだす。
チームでやる場合:-- 質問は一度に1つずつ出していく(前の質問にのっかって質問を考えられるように)
作業中、「いまどうなのか」「なぜこうなった」「なぜなのか」「なぜ違うのか」「もし〜だったら」の質問のすべてを互いにぶつけあう。
- 質問を集める段階では長々しい前置きは抜き、質問だけを出していく。答えは受け付けない。
- 書き出したら、よりよい解決策を見つけるのに役立ちそうな質問や興味をそそる質問を選び、優先順位をつける。
質問思考を養う
問題や難題を特定する際、「〜は〜である」と平叙文の形になりがち
↓
質問に変えてみる。
「イノベーションの取り組みが効果的にできていない」→「どうすればイノベーションの取り組みを効果的に指揮できる?」
自分のQ/Aレシオをしらべる
質問ノートをつける
- 自分の質問にはどんなパターンがあるだろう?どんな質問が多いか?
- 物事の現状について思いがけない洞察を与えてくれるのは、どんな質問だろう?
- 基本的前提を明らかにし、現状に意義を唱えているのは、どんな質問だろう?
- 強い感情的反応を引き起こすのは、どんな質問だろう?(物事のあり方に異議を唱える質問だという証拠)
- 破壊的領域に導いてくれるのは、どんな質問だろうか?
なぜ質問できないのか?
- 馬鹿に見られたくない
- 協調性がない人間、あるいは虫の好かない人間だと思われたくない
質問の名手は自己肯定感が強く、誰からでも(自分よりもモノを知らなさそうな人からでさえも)学ぶ謙虚さを備えている。